会話型 UX の採用

新しい技術が誕生した場合の開発者の反応には 2 つあります。

  1. ずっとやりたかったあの機能はこの技術なら実現できる

  2. この技術を使った何かを作ってみたい

まず、これのうち 1 について議論します。

待望の機能

この場合にはまず、完全な仕様と言語モデルの限界を照らし合わせ、現時点での妥協点を見出す必要があります。

言語モデルは現時点では万能な AI ではなく、どんな機能でも実現可能であるとは限りません。 また、組織がまだ十分に言語モデルを扱うための知識やノウハウを学習していないうちは、言語モデルの機能を最大限に発揮することは難しいです。

まずは、現時点で自分たちの組織が実現可能な範囲にスコープを絞り、小さくはじめることが大切です。 動くプロトタイプを作ってみて、もしかすると考えていた機能があまり有用でないことに気がつくかもしれません。

インスピレーションを得る

後者は、新しい技術から機能のアイデアを発想すると表現することができると思います。 この場合にはまず、技術から機能への視点から、ユーザーから機能への視点へ切り替えて機能の有用性について議論する必要があります。

プロンプト型の UI が流行っているので、ユーザーにとって魅力的に映るのではないか、というマーケティング的な視点が必ずしも悪であるとは言えませんが、 ユーザーが長期的にプロダクトを利用してもらえるかどうかは、ユーザーにとって機能が使いやすいかどうかに左右されるので、マーケティングとユーザビリティのバランスは、長期的な利益に対しては必要なことです。

会話型 UX と自分たちのアプリケーションとの組み合わせを発想する際に大切なのは、アプリケーションが持つ本来の価値に立ち返ることです。

例えば、ユーザーが本当に必要な商品を探すためのアプリケーションの場合は、会話型 UX が最適な商品を探す上でどんな役割を担えるかということを吟味します。

また、これまでのユーザーの課題点を改めて見つめ直し、その課題のうち会話型 UX で改善できるものがないかどうかを検討してください。

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